こどものいる暮らし~採光・照明計画編~
さてさて早くも第二弾!
こどものいる暮らし
今回は「照明・採光計画編」です♪
窓なんてだいたい場所も大きさもなんとなく決まってるでしょ?
照明はとりあえずはやりのダウンライトをつけておけばオシャレでしょ?
なんて思っているそこのあなた!
赤ちゃんが生まれたとき、子供が孫をつれて里帰りしたとき、あちゃ~と後悔する可能性が…
大丈夫です!ちょっとした工夫で快適安心ライフが送れます^^
まずは「窓」から♪
■「窓」
一番の注目は「主寝室」
子供が小さいうちは、家族全員で寝ましょうというスタイルが多いですね
そんなとき気を付けたいのが「明るさの制御」
生後まもなくは2〜4時間ごとに睡眠、覚醒を繰り返す赤ちゃんですが、新生児期(生後1か月)が終わると、
かなりのスピードで、夜は睡眠、日中は覚醒・活動という大人と同じ体内時計の形成を進め、
1~2歳頃までに完成させていきます。
(三池, 輝久著:赤ちゃんと体内時計 : 胎児期から始まる生活習慣病)
ここで大切なのが「朝は朝日を浴びて」「夜は睡眠に向かって暗く過ごす」ということ。
↑最近よく見かけるこんなオシャレ寝室
はやりのハイサイドライト(高窓)を取り入れています
枕元の上の壁面にこんな窓があると、心地よい朝日で目覚めることができますよ~
なーんて言われることがありますが…
ちょっとまったーー!!
「×こども」特に「×赤ちゃん」を想定した場合は要注意
1年間のうち、最も日の出が早いのは6月です
ちなみに2021年の千葉県ですと
なんと「4:23」(国立天文台暦計算室より)
多くの方はまだ寝ていたい時刻ではないでしょうか?
体内リズムが完成されている大人は、この明るさだけでどんな時間でも起きてしまう!という方は少ないと思いますが…
問題は体内時計が形成中の「赤ちゃん」や「こども」
「明るい」=「朝」=「起きる時間」と認識するので、
4時だろうと起きてしまうんです!!
(親はまだ寝ていたいのに、子どもが早起きすぎて困るあるある;;)
さらに寝る時間の場合、最も日の入りが遅いのも6月
2021年の千葉県では
これまたなんと「18:59」(国立天文台暦計算室より)
何が問題なのかというと、日の入りから完全日没までは、この時期約2時間弱かかるのです
つまり約19時~約21時までは外の明るさが窓から入ってくる!!
1分1秒でも早く寝てほしい親からすれば、この明るさのせいで子供がなかなか寝付かないのは死活問題です
高窓だからお隣さんからも見えないし、開け閉めの必要もないから、カーテンもシェードもいらないわ♪
なんてオシャレ感重視の方はご注意を…
ぜひ一歩立ち止まって、寝室内を遮光することも検討してみてください
さて次は
■照明
まずは一番過ごす時間が長いLDKについて
最近の主流は「ダウンライト」を天井に等間隔に配置して…というパターン
↑昔ながらシーリングライトよりオシャレ!新築するなら絶対取り入れたい!という方は多いです
しかしこちらも「×赤ちゃん」の場合は要注意
何が要注意なのかというと、ダウンライトの光源である「LED」は従来の電球や蛍光灯と違って
特定の方向に強い光を放つ特性があります(↓SSL光源というのがLEDにあたります)
(画像:経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課「LED照明産業を取り巻く現状」)
そのためほぼ24時間仰向けで生活をしている赤ちゃんの目には、ダウンライトがどう映るでしょうか?
ぜひ商業施設などでダウンライトをみかけたら、真上を向いてみてください
数秒と直視していられなかったり、目をそらした後に残像が残ると思います
また身長の低い「こども」も大人よりも視界に入る照明の割合が増えます
ちなみに調光機能がついているものは、暗くすることで目への刺激量は減りますが、
光の特製は変わらないので、直視したときのまぶしさは部屋の明るさとは比例せず、さほど軽減されません…
人間の視力は、新生児で0.01~0.02、生後2か月頃から急速に発達し、3歳で0.5以上の視力となり、
大人と同じ安定した視力レベルになるのは8~9歳と言われています
(国立成長医療研究センターより)
また生まれて間もなくは色もわからず
赤ちゃんにとって唯一とも言える目からの情報「明るさ」という刺激はとても重要なものとなります
私の息子も3歳からはじまり9歳までは弱視治療中のため、つい目には敏感に^^;
また大人でも、照明配置によっては、立っていると気にならないけれど、
TVを見るためにソファに腰かけちょっと背中を倒して座ったらまぶし~なんてことも!
さらに加齢と共に増加する白内障は、
50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代84~97%、80歳以上で100%とされており
(厚生科学研究班報告より)
その症状のひとつに「光をまぶしく感じやすい」というものがあります
じゃあもうダウンライトはあきらめないといけないの???
そんなことはありません^^
ただほんの少し、配置や種類、数や角度などを気にかけてほしいと思います
↑たとえばこのプランのように
天井の外周にダウンライトをスポット風に配置して、部屋の中央にはシーリング照明等を配置するパターン
(形はシーリングや電球でも、中はLEDのものがたくさんあるので
直視した時のまぶしさを抑えつつ、LEDの長寿命等メリットはそのまま享受できます)
子育て世代に多い「小上がり」だけは赤ちゃんの居場所やごろごろゾーンとしてダウンライト以外の照明を選択するなどもアリ
↑部屋の広さによっては外周だけの配置でも、仰向けになると視界に光源がしっかり入ってしまうので注意
いやいややっぱり全面ダウンライトがいい!!という方には…
↑光源を直視しないようにドーム状の蓋のようなものをつけて光を拡散させ
まぶしさを軽減させるダウンライトを展開しているメーカーもあります
(ほこりや虫の侵入も防げて一石三鳥)
↑光源自体の角度を変えられるタイプ
赤ちゃんの位置が大体定まれば反対方向に向けておけばひとまず安心
↑あえての電球型
ダウンライトというと基本交換しない前提が多いですが
電球型にすると光の広がり方で「全方向タイプ」という種類が選べるので
「下方向タイプ」よりはまぶしさが軽減されます
固定概念にとらわれず、オシャレかつ快適な住空間をつくりましょう♪
グレア評価参考/社団法人照明学会:CIE グレア評価法 UGR の研究調査委員会報告書
最後はこちらの照明
■トイレ
トイレの照明なんか何でもよくない?
いやいや、よくないです!!
「×こども」の場合
早いと1歳のうちからトイレトレーニングをはじめ2歳のうちに一人でトイレを済ませる子もいます
多いのは3歳前後
ではこちらをご覧ください
2歳6か月の男の子で90.0cm、女の子で88.8cm
3歳6か月の男の子で97.2cm、女の子で96.2cm
(厚生労働省 子供の生活状況(子供の成長)より)
身長と照明の何が関係するかというと…
正解は「スイッチ」です!
もうすぐ3歳6か月のうちの娘の身長が95㎝ですが
頑張って背伸びして、なんとか指先でカチっと点消灯できる、といった具合です
(110㎝の5歳息子は余裕)
そこで何が起きるかというと…
トイレに入りたいときに「電気付けて~」と呼ばれ
終わった後は見事に「つけっぱし」!!!!
こんなことが一日に何度も×子供の人数分おきます…
そんなときにおすすめなのが「人感サンサー付き照明」
呼びつけられるストレスも、いつからつけっぱなしだったんだろう…なんてやきもきするストレスからも解放されます
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今回も長くなりましたが、「オシャレ」と「家族みんなが快適」なのは必ずしも「=」ではありません
家族みんなにとってベストな選択を一緒に考えましょう♪
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